富良野市内より帯広方向に車で約30分の場所に位置する南富良野町下金山に私たちの森が広がります。
この地の高台に広がる29ヘクタールの牧草地、もともとは地元の農家さんが飼っていた牛たちの夏の放牧地として管理されている町営牧場でしたが、その後の就農モデルの変化に伴い放置されてたものを譲って頂きました。

 牧草地の周りには北海道らしい自然林が広がっています。トドマツ、エゾマツと言った北海道を代表する針葉樹とカバ、ナラ、カエデ、カツラの木と言った様々な広葉樹が混じり合った”針広混合林”は北海道が誇る豊かな生態系の証。豊かな森の風景が分断なく日高の山並みまで続き、野生動物達の縄張りを支えています。

 こんな素敵な場所を地元の方のご好意で譲って頂いて、私たちのフィールドとして”結びの森”と名付けました。
名前はの由来は、生物学者の福岡伸一さんの”結びの思想”から頂いています。曰く、『地球上の生命、植物も動物も全ては酸素、窒素、水素や炭素と言った空気を構成する元素のただの”結び目”である』と言う平等思想です。
生命が生まれてから36億年、地球上の主要元素の結び目ができたり解けたりを繰りかえすことによって、複雑な生態系が維持されて来ました、そして私たちもそんな自然の織りなす営みの中の結び目の一つに過ぎないと気が付いた時、より自然との距離が縮まり、その尊さを感じます。
幾重にも生態系が重なる自然の森はそんな結び目の集まりと言い換えることができ、なんとなく”結びの森”と言う言葉が出てきました。

 改めて”結び”と言う言葉を眺めると、とても大切な言葉の気がします。実際、私たちは自身の周りに広がる様々な物や者との結び付きの範囲でしか生きていけない弱い動物。”結びの森”はそんな色々な結びつきを気づける場になれば嬉しく思います。

 道を整備して、井戸を掘り、ソーラーパネルで電力も自給して、毎年少しづつですが手入れをしています。なにぶん山の中で不便な所ですが、興味がありましたら是非遊びに来てください。